仏壇の記(京仏具 小堀さんより)
仏壇が今のように一般家庭に浸透してきたのは江戸時代元禄期(1688年~1704年)だそうです。それまで仏壇は村落共有のものであり、人々は月に何日か寺院に参詣にするのが習わしだったとか。
ご本尊は葬儀の際に各家に貸し出されていたようです。
幕府の政策により17世紀末には家ごとに菩提寺を定める寺請制度が設けられ、各家に仏壇が設置されるようになったようです。
農家では座敷に仏壇が安置され、朝夕お参りし、ご先祖の命日には僧侶を招きお参りしたとのこと。
この頃に、尾張・三河・彦根などで工芸的な仏壇の生産が始まったとのこと。
小堀さんの初代 釋教誓(1743年没)が当時の小堀村(現長浜市小堀町)から彦根へ移り住んだこと。このことから今に至るとのこと。
仏壇が家庭に浸透しだして300年ちょっと。居住形態は変わっていき、家に座敷がだんだんなくなり、サザエさんやドラえもんのような家族で住む家庭は標準ではなく、平均すると1人か2人で住んでいるところがほとんどです。
仏壇の形も変わってきました。
生まれた人は、毎年1才づつ年をとっていき、風邪をひいたり頭が痛くなったり人によってはガンになるなど病にあい、そして長くても100歳ぐらいには死んでいきます。その人生の中では人との関係に悩んだり、思うようにならなかったり、どうしていいか分からなくなったり、なかなか自分で引き受けられないできごとが起こります。そんな中、手を合わせ、本当に尊いこと、大事なことを考える場として、ご本尊のある生活を送っていきたいと思います。
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