【2022年6月のお寺の掲示板】
今だけ 金だけ 自分だけ
鈴木宣弘
「今だけ」とは、将来のことは考えず、目先のことだけしか見ない、考えないという思考や行動のこと。
「カネだけ」とは、全てを金銭面だけからとらえるという生き方。
「自分だけ」とは、自分のことしか考えず、他人や社会のことはかんがえない自分ファースト的な生き方のこと。
2013年から広まったというこの言葉。再び出会いました。
○果てしない過去からの連続する今があって、未来を考えたときにはじめて今どすべきか考えられる。
○カネは人間が設定した信用のカタチであって、カネは目的ではない。損得が価値ではない。
○自分が今ここにいるのは、父母、祖父母と遡り数限りないいのちと関係性がある。
そしてそのいのちはバトンタッチされていく。
そんなことを思いますが、さて、私はどうでしょうと振り返る必要があるように思います。
『食の戦争米国の罠に落ちる日本』という著書の冒頭にこの言葉はあります。
2018年3月の鈴木研究室の卒業生・修了生への祝辞では、このように語っておられます。
部下や現場で頑張っている人々のためでなく、自らの利益と保身のためだけに、むしろ周りを容赦なく犠牲にする見苦しい方が多すぎます。
拠って立つ人々のために尽くしてこそ、自らも成り立つということを忘れず、それぞれの立場から、社会の発展に貢献し、自ら責任をとる覚悟を持ったリーダーになってくれることを願っています。
農学の祖、横井先生は「農学栄えて農業滅ぶ」と言いましたが、それは実はあり得ないと私はよく話しています。最終的には、現場の農業が滅んで、農学だけが栄えることはありえない、「農業が滅んだら農学も滅ぶ」。これは、どんな仕事でも同じで、組織や会社が存続できるのは、その組織がよって立つ農家や消費者という現場が持続できるからこそです。それを忘れて、「組織が組織のために働いたら組織は潰れる」。このことも肝に銘じてほしいと思います。「今だけ、金だけ、自分だけ」=「3だけ主義」で、目先の自身の儲けや保身に陥ると、自分も組織も長期的には持続できません。何事も、基本は、「売り手よし、買い手よし、世間よし」=「3方よし」です。
拠って立つ人々のために尽くしてこそ、自らも成り立つということを忘れず、それぞれの立場から、社会の発展に貢献し、自ら責任をとる覚悟を持ったリーダーになってくれることを願っています。
農学の祖、横井先生は「農学栄えて農業滅ぶ」と言いましたが、それは実はあり得ないと私はよく話しています。最終的には、現場の農業が滅んで、農学だけが栄えることはありえない、「農業が滅んだら農学も滅ぶ」。これは、どんな仕事でも同じで、組織や会社が存続できるのは、その組織がよって立つ農家や消費者という現場が持続できるからこそです。それを忘れて、「組織が組織のために働いたら組織は潰れる」。このことも肝に銘じてほしいと思います。「今だけ、金だけ、自分だけ」=「3だけ主義」で、目先の自身の儲けや保身に陥ると、自分も組織も長期的には持続できません。何事も、基本は、「売り手よし、買い手よし、世間よし」=「3方よし」です。
現実・現場を自身が実感することが不可欠である。
自分がテキストで学んだ「理論」が「実感」に合わないと、無理やり「実感」をねじ曲げて、非現実的な仮定で「理論」に押し込もうとする傾向があります。そもそも、「理論」は「実感」を説明するために形成されたものだから、現場の「実感」に合う「理論」を再構築する必要があるのに、自分が教え込まれた固定観念を「教義」のように信奉する(開発)経済学は、現場の状況を改善するのでなく、むしろ悪化させる危険があります。
現場・現実にしっかりと立脚した思考・分析・活動が物事の基本だという点は、ここで学んだ姿勢として忘れずに、「3だけ主義」に陥らず、「3方よし」の実践で、これから、それぞれの分野で社会のリーダーとして活躍してくれることを心より念じております。
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